当院での主な治療例 (腫瘍科)|尼崎市南武庫之荘で動物病院をお探しの方はセントラル動物病院まで

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当院での主な治療例 (腫瘍科)

乳腺腫瘍

しこり  乳汁分泌  乳腺付近の赤み、腫れ

犬では、雌犬の腫瘍の50%は乳腺腫瘍と言われています。そして、良性と悪性の比率はおよそ50:50で、悪性腫瘍の発生率は大型犬の方が多く58%で、小型犬では25%です。
猫では、雌猫の全腫瘍中17%を占め悪性腫瘍が85%で、犬と比べてかなり高い割合となっています。

乳腺腫瘍の臨床徴候として、乳腺部に単一もしくは多発性にしこりが触れるようになってきます。中には急速に大きくなったり発赤や疼痛を示す場合もあります。
早期に発見し、早期に手術で摘出することで、完治することもある病気です。日頃からのスキンシップを大切にして、チェックしてあげてください。

また、乳腺腫瘍の発生リスクは、早期(初回発情前の生後約6ヶ月)に不妊手術を行うことで、明らかに下げることができます。犬で報告されている発生率は、以下のとおりです。
 ○初回発情前に不妊手術を行った場合:約1%
 ○1回目の発情後に不妊手術を行った場合:約10%
 ○2回以上発情がきた後に不妊手術を行った場合:ほぼ予防効果なし
となっており、特に犬では初回発情前に不妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生をほぼ抑えることが出来るため、最大の予防効果を発揮する初回発情前の不妊手術をおすすめします。

【当院での実際の症例】

健康診断にて、8歳のミニチュアダックスの乳腺部に複数のしこりが見られました。
この段階では、良性か悪性の判断がつきませんが、拡大してくることが予測されるため、複数の乳腺および所属リンパ節を一緒に摘出しました。

腫瘍に針を刺して細胞を採取する針生検による細胞診検査がありますが、乳腺腫瘍においては、乳腺部にできる他の腫瘍との鑑別はできますが、良性か悪性かの鑑別はできません。最終的な診断は、切除後の病理組織検査の診断になります。

手術前には、血液検査、レントゲン検査を実施します。血液検査では、手術をする上で内臓機能に問題ないか、貧血や血液凝固機能に異常がないかなどを確認し、レントゲン検査では、心臓の拡大がないか、そして、肺への転移がないかを確認します。

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病理組織検査にて、全て良性の乳腺腺腫と診断され、現在のところ外科手術以外の治療なしで、術後5年以上、残っている乳腺に腫瘍が再発することもなく、元気にしています。

悪性リンパ腫

リンパの腫れ  食欲低下  痩せてきた  元気がない

リンパ腫は、リンパ系組織(体表あるいは体腔内リンパ節、脾臓、肝臓など)から発生しますが、腸管や皮膚や鼻の中など体のどの部位からも起こります。犬の腫瘍中では発生率が高く(犬の腫瘍全体の10~20%)、一般的には中高齢(7~8歳以降)に発生が多いです。

発生部位によって症状も様々ですが、多くはリンパ節の腫れをともないます。悪性リンパ腫は、一般的に化学療法(抗がん剤)での治療になります。進行すると、肝臓や脾臓、骨髄内へ入って機能を低下させてしまいます。無治療の場合の平均寿命は1~2か月と言われています。

根治は難しい病気ですが、適切な抗がん剤で治療すると、抗がん剤の効果が出やすく、がん細胞の増殖が抑制され、腫瘍の縮小や成長の遅延が期待できます。

【当院での実際の症例】

12歳ラブラドールが喉の不自然な腫れを主訴に来院されました。身体検査にて体表リンパ節全てに腫大が認められました。

悪性リンパ腫の診断をするために、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、細胞診検査、必要に応じてリンパ節組織生検、内視鏡検査、遺伝子検査を行います。基本的に腫大しているリンパ節や脾臓、肝臓などから細胞を採取して細胞診検査を行いますが、リンパ腫の種類によっては、細胞診検査のみでははっきりとした診断結果がでない可能性もあります。

【多中心型リンパ腫の臨床ステージ分類】
ステージ1 単独のリンパ節のみの腫大
ステージ2 領域における2ヶ所以上のリンパ節腫大
ステージ3 全身のリンパ節腫大
ステージ4 ステージ3に加えて肝臓・脾臓を含む
ステージ5 骨髄、非リンパ節器官を含む
サブステージa どのステージであっても、全身的な臨床症状が認められない
サブステージb どのステージであっても、全身的な臨床症状を伴う
【体表リンパ節の場所】
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  • 浅頚・腋窩・鼡頚・膝窩リンパ節の細胞診検査、全身の精密検査にて、多中心型リンパ腫ステージ3aと診断し、多剤併用のUW25プロトコールの抗がん剤治療を行い、6か月以上寛解(体の中で腫瘍細胞の増殖を完全に抑えれてる状態)を保つことができました。
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    腫大した腋窩リンパ節の細胞診検査

肥満細胞腫

しこりがある  皮膚があれている  嘔吐する  下痢をする

肥満細胞腫は、体内での炎症やアレルギーなどの免疫反応に重要な役割を持つ肥満細胞が腫瘍化したもので、肥満細胞腫を発症すると強い炎症や出血を起こしやすくなります。

また、肥満細胞腫は全身のあらゆる部位での発生の可能性がある腫瘍ですが、皮膚および皮下組織に発症することが多く、触知できるしこりとしてあらわれます。犬では皮膚の悪性腫瘍で最も多く、病状は様々で、切除することで完治することもあれば、かなり早い段階で転移することもあります。

しこりの中には、虫刺されやケガのようにみえるものもありますので、覚えのないものを見つけた際には、すぐに受診してください。

【当院での実際の症例】

8歳のミニチュアシュナウザーの右後肢の皮膚表面にしこりができているとの主訴にて来院されました。

細胞診検査にて、細胞質内に好塩基性顆粒を多く含む独立円形細胞が多数採取されました。全身の精密検査にて、所属リンパ節への明らかな転移や全身への影響が認められなかったため、広範囲のマージンを含めて外科手術にて摘出を行いました。

病理組織検査にて、低グレードでマージンクリアと診断され、外科手術以外の治療なしで、現在のところ術後2年以上再発や転移は認められていません。

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    患部
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    細胞診検査
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    別の症例の皮膚肥満細胞腫の外観

骨肉腫

歩くのを嫌がる  脚を引きずって歩く  運動量が減る  硬い晴れがある

骨にできる悪性腫瘍で、犬の場合、骨の組織にできる悪性腫瘍の85%を占めます。
犬では75%が四肢の骨に発生しますが、猫では、四肢の骨以外に肋骨、背骨などにも発生することがあります。通常、大型犬と超大型犬に発症が多く、前肢が後肢の2倍の発生率となっています。

一般的に骨肉腫は局所浸潤性が強く、骨を破壊しながら病気が進行していくため、非常に強い痛みを伴います。動くことを嫌がり、運動量が減るといった症状がみられます。また、腫瘍の骨の破壊による病的骨折や早期の肺転移なども起こりやすいです。運動量に変化があったときは、老化と判断し放置せず、獣医師に相談してください。

【当院での実際の症例】

13歳のゴールデンレトリーバーが左後肢の跛行を主訴に来院されました。

レントゲン検査にて明らかな異常が認められなかったため、変形性関節症による疼痛疑いとして、非ステロイド系消炎鎮痛剤の内服投与にて経過観察としていました。

1ヶ月経った時点で左大腿部の筋肉量の減少と左膝関節付近の触診での疼痛出現、跛行の継続が認められたため、再度レントゲン検査を行ったところ、前回に認められなかった左大腿骨遠位部の骨融解像が認められました。

全身の精密検査を行い、鎮静下にて左大腿骨遠位の骨融解部の細胞診検査を行いました。異型性を持つ骨芽細胞や破骨細胞様の多核巨細胞が認められ骨肉腫が疑われました。

所属リンパ節への明らかな転移や肺への明らかな転移が認められなかったため、疼痛からの解放や寿命の延長を期待して、左後肢断脚手術にて摘出を行いました。

術後、ドキソルビシンとカルボプラチンによる化学療法を行い、肺転移で亡くなるまでの9ヶ月間、疼痛に苦しむことなく3本足で歩行して、良好な生活の質を保つことができました。

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    レントゲン
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    細胞診検査

口腔内腫瘍

急に口臭がひどくなった  ヨダレが増える(時に血が混ざる)  食欲が減る  顔周りを触られるのを嫌がる

犬において最も発生しやすい口腔内悪性腫瘍は、多い順にメラノーマ、扁平上皮癌、そして線維肉腫です。
また、犬では歯周靭帯から発生するエプリスという良性腫瘍も比較的多くみられます。 猫においては扁平上皮癌の発生が最も多く、次いで線維肉腫が好発します。

口腔内では、腫瘍が発生する場所により、同じ腫瘍であっても病理学的特徴、生物学的挙動、治療に対する反応などが異なることがあります。早期発見できることでかなり予後が変わることがあります。普段から口の中を見るようにして、歯肉に見たことのない膨らみを見つけたり、出血しているところを見つけたりした際には、すぐに受診してください。

【当院での実際の症例】

① 13歳の雑種犬が口から血混じりのヨダレが出て、少し食欲が落ちているとの主訴にて来院されました。口腔内を確認すると下記の写真のように右下顎第3前臼歯部から後臼歯にかけての歯肉に黒色の腫瘤病変が認められ、一部から出血がありました。

鎮静下での細胞診検査にて、細胞質内にメラニン色素を多く含む異型細胞が多数採取され、メラノーマが疑われました。同時に行った切除生検にて、メラノーマと診断されました。
全身の精密検査にて、所属リンパ節や肺への明らかな転移や全身への影響が認められなかったため、マージンを含めて右下顎骨全切除による外科手術にて摘出を行いました。

術後5ヶ月後の肺転移で亡くなるまでの間、食事もしっかりと食べることができ、良好な生活を送ることができました。

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    口腔内腫瘤
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    細胞診検査

② 12歳の雑種猫が下顎が腫れて、食欲がないとの主訴にて来院されました。口腔内を確認すると下記の写真のように左下顎第2前臼歯部から後臼歯にかけての歯肉腫瘤病変が認められ、一部から出血がありました。

鎮静下での細胞診検査にて、灰青色の広い細胞質と核異型を有する細胞が多数採取され、口腔内扁平上皮癌が疑われました。同時に行った切除生検にて、口腔内扁平上皮癌と診断されました。
全身の精密検査にて、所属リンパ節や肺への明らかな転移や全身への影響が認められなかったため、マージンを含めて左下顎骨全切除による外科手術にて摘出を行いました。猫は顎骨切除を行うと自力での食事が困難になることが多いため、同時に胃ろうチューブの設置を行いました。

術後3ヶ月後に局所再発が認められましたが、胃ろうチューブのおかげで栄養面でのサポートができ、亡くなるまでの間、良好な生活を送ることができました。

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    口腔内腫瘤
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    細胞診検査
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